国 際 理 解     第28号    2003年8月20日

 平成15年度帰国教員歓迎会


  平成15年6月7日(土)に上記の会が,
 まきび会館で開かれました。当日は武参与,
 片山参与はじめ29名の会員が出席し総会の
 後3人の帰国教員から貴重な現地での体験が
 報告されて有意義な会となりました。(香港   日本人学校から帰国された原田先生は,所用
 のためご欠席でした)
   栗坂祐子先生は,ハンブルク日本人学校に派遣され  ました。4年間の派遣となりましたが,赴任当初はド  イツ語が話せなくて,コミュニケートに大変苦労され  たそうです。しかし,校内での週2日のドイツ語研修  と家庭教師の個人レッスンで克服し,帰国した現在も  家庭教師の女医さんと週に1回国際電話やファックス  でレッスンを続けているそうです。現地では,日本の 品物が少なく,ラーメンを麺から作ったり,栗饅頭をあんから作ったりしたそうで す。帰国後日本の学校に慣れるのが大変ですと言いつつ,ドイツ語検定に家族で挑 戦と,バイタリティー溢れる先生でした。

   藤井浩先生は,ロンドン日本人学校に派遣されまし  た。ロンドンで生活するのに英語はほとんど必要がな  いくらい,日本のものはそろっていたそうです。しか  し,物価は高く,弁当が2000円もして,しかも味  は今ひとつということでした。ロンドンで一番おいし  いのは中華料理だそうです。英語学習は日本人学校で 週3回行われ,お子さんは帰国後もBBC放送の早口がだいたい分かるそうです。 まだ,6月を迎えたばかりの日本ですが,夏でも30度を超えることがあまりなく 湿度も低いイギリスと比べて,暑いなあと感じるそうです。学校では,教材に苦労 し,3年生の理科昆虫の飼育の単元で,ロンドンにはバッタもチョウもとんぼもい なくて,きれいな蛾の幼虫で代替したそうです。また,奥様からはハイドパークで チャールズ皇太子と握手できた思い出が披露されました。

   阿部泰久先生は,チューリッヒ日本人学校に派遣さ  れました。チューリッヒは人口35万人,ジュネーブ  と並ぶ国際都市でスイスの4000人の在留邦人の半  数が生活しているそうです。日本人学校は,チューリ  ッヒから15kmほど離れた郊外にあって,自然が豊  かであり,25人ほどの全校生徒が安全に暮らせてい るそうです。とにかく,車が少なく,歩道が広く,子ども一人で外に自由に遊びに 行くことのできる平和な所だそうです。スイスはハイジの国として有名で,日本か らもたくさんの観光客が訪れるようです。スイスでは,日本のアニメ「アルプスの 少女ハイジ」がずっと放映されていて,スイスの人々にとってもあのアニメがハイ ジのイメージだそうです。スイスはアルプスの国で,雪が多い印象ですが,チュー リッヒでは積雪が年に数回だけでチェーンを巻くことはほとんどないそうです。で も,オールシーズンのスタッドレスタイヤをはき,12月〜3月は凍結防止剤を道 路に撒いているので,その塩分により車の錆化が激しいそうです。また,奥様から は,12月に赤ちゃんを現地で出産した思い出が語られ,一度も大きな病気やけが がなかったことを喜んでおられました。日本では,貴重な経験を草の根から,色々 な人に伝えていきたいということでした。

  
武参与からは,国際理解教育の研究分野として,全く新しいアプローチの開拓を提言されま した。  また,片山参与からは,本会会員が外部機関 主催の研修会や協議会に積極的に
参加し,貴重な経験を社会貢献に生かしてほしい とのお話がありました。
  今回の第37回帰国者歓迎会・総会でも,最近数年以内の帰国者の参加率が低く ぜひ,何は置いても積極的に参加し,会を盛り立ててほしいという声が聞かれまし た。